ビエンナーレ・スクール 第3回『アニメ聖地巡礼』 サブカルが旅の新境地を拓く!に行ってきた
【ビエンナーレ・スクール】
ビエンナーレ・スクール 第3回『アニメ聖地巡礼』 サブカルが旅の新境地を拓く!という講演が札幌駅西口の紀伊國屋札幌本店1Fで開かれるということで参加してきました。
今回の講師は、山村高淑氏(北海道大学観光学高等研究センター准教授)/岡本健氏(北海道大学 国際広報メディア・観光学院 観光創造専攻博士後期課程)のお二方。
『アニメ聖地巡礼から学ぶこと』という題でスタート。これまでの研究の成果を90分にギュッと凝縮したような内容でした。
内容を全部記すことのできるだけのメモは取っていなかったので、私が特に興味を持った点だけピックアップ。
1.アニメ聖地巡礼は特定の場所に起こり、多重化された意味が成された場である。
アニメ聖地巡礼というのは、当ブログで扱っているような『アニメの背景として登場し実際に存在する現実の舞台を訪れる』という行為。
ではなぜそこに行きたいと思うのか?それは、アニメ視聴者がアニメの想像力を用いて物語を読み解くことで、その場の意味を多重化する。
つまり、現実をデジタルデータで補強し、内部から<いま、ここ>に新たな意味、付加価値を与えることでより深い楽しみを見出しているからだ。
そして何もこれは聖地巡礼だけの話ではない。歴史的な建造物を訪れる時もそこに歴史的な経緯という価値を付けることで楽しみを得る。
そこに何の物語がないならただの古い建物があったという感想で終わるだろう。
2.N次創作文化
伝統文化とは、N次創作の中で創られたものがあり、特に江戸時代以降からそれが見られ始めた。
例えば、源氏物語のパロディも室町時代から始まっており、それは現代での同人活動と何ら変わらないのものである。
N次創作とはオープンソースやウィキペディアと類似しており、多くのコンテンツユーザーがコンテンツをクリエイトする側にも立っている。(ex.初音ミク)
ユーザーとクリエイターの境界線が従来に比べ曖昧なものとなってきており、その点において町おこしもそれと類似するものである。(ex.鷲宮町)
というのも、従来までの観光による町おこしは生産側と消費側が完全に分離しているが、鷲宮町で見られる町おこしは消費側である聖地巡礼者が
生産側の役割もこなしており生産側と消費側の境界線が無く全てがリンクしているのだ。こうした境界線の消失が創造に繋がっているのである。
3.コンテンツツーリズム 想像都市として期待されること
・文化の多様性を重視−寛容性・相互理解
↓
・多文化間での交流の発生−コミュニケーションの重要性
↓
・新たな文化の創造へ
ピックアップした点すら上手くまとめられている気が全然しないので、、こういう話に興味のある方はHUSCAPから論文をダウンロードして読んでみてください。(丸投げw)
また、山村高淑氏が執筆しているこちらの本も読みやすくて面白いです。
【マンタビ〜札幌まんがWEB〜】
あと、今回の記事で言いたかったことは実はこれじゃなくて札幌商工会議所が企画した『マンタビ』についてです。
公式HPはこちら→http://mantabi.net/
■日程:平成23年11月19日(土)13時〜16時 ※雨天決行
■参加費:無料
■定員:30名
(高校生未満の場合は、保護者同伴になります)
■集合場所:中央バス札幌ターミナル 1階待合室
(札幌市中央区大通東1丁目3番地)
■主催:札幌商工会議所
詳細はこちらから→http://mantabi.net/tour/?cat=3
こんなマップを作り、AR技術によりスマートフォンを駆使しながら札幌市内の聖地を巡礼しようというお話です。
ついに札幌でもこの分野に本腰を入れ始めたようですね。まだ空きがあるようなので、この日都合の良い方はモニターツアーに参加してみてはいかがでしょうか?
また、12月5日(月)には、『札幌観光とマンガコンテンツの可能性』というマンガコンテンツ活用シンポジウムが開催されます。
残念ながら平日の日中ということで参加はなかなか難しいですが、内容は個人的に非常に興味深いです。
■日時:12月5日(月) 15:00〜17:30(開場14:30)
■場所:北海道経済センター 8階 Aホール(札幌市中央区北1条西2丁目)
■定員:100名
■参加費:無 料
■プログラム
(1)事業報告 15:00(20分)
『札商マンガ等コンテンツ活用事業』の取り組みについて
(2)基調講演 15:20(60分)
『マンガコンテンツと観光産業について』〜境港市の先進地事例に学ぶ〜
詳細はこちらから→http://mantabi.net/symposium/