けいおん!舞台探訪 番外編「聖地の経済効果を測定してみた」
卒論として執筆した聖地巡礼関係の研究論文を公開したいとの依頼を受けたので当ブログにて紹介致します。
卒論用けいおん!コースターの経済的影響に関する調査(ブログ用) (2).pdf
【聖地巡礼による経済波及効果について取り扱った論文】
この論文は、けいおん!の聖地となった滋賀県豊郷町の事例を経済的な観点から研究されたもので
まちおこしによる経済波及効果の測定を行ったものをまとめたもののようです。
昨年3月に完成したもので、北大の叢書にも一部掲載予定らしいですね。
面白そうなので私も読んでみました。構成は4章に分かれていて、題目は以下の通り。
第1章 「けいおん!!コースター販売企画による経済的影響に関する調査」
第2章 「とよさとアニソンライブ2010!!による経済的影響に関する調査」
第3章 「桜高文化祭による経済的景況に関する調査」
第4章 「おわりに」
・第1章では、2010年4月〜5月に豊郷町で実施されたけいおん!!コースター販売について
実地アンケートおよびヒアリングをもとに経済波及効果を測定しそこから見えてくる
当イベントでの課題について述べている。
・第2章でも同様に、2010年10月に開催されたとよさとアニソンライブ!!について
実地アンケートおよびヒアリングをもとに経済波及効果の測定と当イベントの課題について
述べている。ここでは実施したアンケートもより詳細なものとなりイベント参加者の
人数や地域についての統計も計測されていて面白かったです。
・第3章では、同人誌即売会である桜高文化祭について、前章までと同じ観点から述べられています
本文中にアンケートを実施しているブースの写真があるのですが
かなり気合い入れてやってますねw最近の学生はここまでするのか・・・ww
・第4章では、全体のまとめ。わかりやすい構成です。
一度通しで読んでみての感想なのですが、まず、引用文献も多く裏付けをしっかり出来ているのがイイですね。
調査結果を得るために実施したアンケートは全て自ら現地へ出向いて地道に行っていたようでここもしっかりしています。
学部生なりに一生懸命調査・研究している姿勢が伝わりましたし、内容的にも読んでいて面白かったですよ。
内容が気になる方は上の方にpdfでアップロードしてあるので読んであげてください。
こういった論文もっと読んでみたいなぁ。
【いきなりですが聖地巡礼について研究しようと思っている方へ】
この機会にちょっと最近の大学生の卒論研究の仕方について思うところがあるので書きますね。
近年聖地巡礼人口が増加、町おこしをする自治体も登場、マスコミに取り上げられる機会も増えたこともあって
大学の卒論で聖地巡礼について執筆する学生が増えているそうです。
しかし、その研究方法が良ろしくないという話を小耳にはさんだりして、それがとても残念なのです。
最近話に聞くのは、データ収集するのに『観光協会にメールや電話で観光協会にアンケート調査をやってもらうよう依頼する』とか
『○○が知りたいからそれに関連するデータの提供を要求する』だとか相手のことを考えず無茶な要求をする学生が多いようなんですね。
常識的に考えてみてください。あなたがある日突然全く面識のない学生から電話がかかってきて、
「卒論に必要なので私の代わりにデータ収集してくれません?」
って言われたらどう思いますか?私ならバカなことを言ってるんじゃないと断った上で説教しちゃうかもしれませんね。
当然のことだと思うのですが、自分の卒論なんだからそこは自分が現地を訪れて自分で実施しなきゃダメです。
面倒だとか時間がないだとかどんな理由であれ、自前でデータを収集できないようであればそんな卒論は書かない方がいいのではないかと思います。
更に悪いパターンだと、これは実際に聖地巡礼について研究している私の知人にメールで送られてきたらしいのですが、
『聖地巡礼の卒論を書きたいけど何をすればいいですか?と他人に聞く』学生まで現れたようで呆れかえってしまいます。
聖地巡礼について卒論を書こうとするは全然イイと思いますし、大いにやっていただきたいですが、最低限のマナーは守った上でやっていただきたいと思います。
なぜ私がそのようなことを言うのかと思った方がいるかもしれませんが、基本的に聖地巡礼している人はひとくくりにして考えられてしまいます。
大多数の巡礼者がマナーを守り行動していてもほんのごく少数でも不適切な行動をする巡礼者が現れれば、巡礼者は悪いやつだと思われてしまうかもしれないからです。
そしてそれは巡礼者だけでなく聖地巡礼の研究者についても巡礼者という同じくくりで見られるかもしれないでしょう?この可能性は否定できませんよね。
私たちがそれは違うと思っても相手にそう思われたらおしまいです。聖地巡礼に関わる以上自分一人の問題ではないということを認識し
注意を払って適切な行動を心掛けていただきたいと思いますし、私も当然周囲に配慮しながら活動をしていきたいと思っています。
みんなで楽しく、聖地巡礼しましょう!